【4週強度とは?】コンクリートの圧縮強度試験について解説

  • 2025年7月24日
  • 2025年8月6日
  • 土木
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土木工事に携わっている人なら一度は耳にする、コンクリートの圧縮強度試験。

一般的に、材齢1週間と4週間で強度試験を実施しますが、ウッカリ材齢をすぎてしまったことはないでしょうか(^_^;)

圧縮強度試験は何のために実施しているのか?

結果はなにを判断するために必要なのか?

理解が深まればより有意義なコンクリート試験になると思います。

・圧縮強度とはどういうことなのか知りたい
・試験する日程はなぜ材齢1週間と4週間なのか?

コンクリートの圧縮強度試験とは

建築や土木工事で使用されるコンクリートの強度が、基準強度を満たしているかを確認するために実施します。
コンクリートは基本的に圧縮強度を期待されて設計されていることがほとんどで、曲げ強度や引張強度や付着強度は一般的には試験は実施しません。

設計強度を満たしているか

建物や土木構造物は、設計時点で圧縮強度を規定されています。

補強設計時には、既設の躯体からコンクリートコア(円柱状のコンクリート塊)を採取し、その試験体を試験することで、現況の構造物の圧縮強度を把握することがあります。

実際に、設計当初の圧縮強度を満たしていなかった場合は、橋脚の場合は巻きたて補強であったり補強設計を進めていく上での初期条件になります。

コンクリートの品質をチェックする

実際に現場でコンクリート使用する時に、使用しているコンクリートの品質を確認するために、現場から採取した供試体を試験します。

現場で使用するコンクリートは、工場から出荷されたコンクリートを使用します。

ですので、工場の品質管理を突破した材料が現場に納入されているので、その時点である程度の品質は担保されている状態ではあります。

しかし、実際に現場で施工したときに同じ条件で供試体を作成して、期待した強度が発現するのかを確認することは重要なことです。

私は30代で、土木の現場経験は10年も経っていないようなひよっこなのですが、その昔はいい加減な材料を使った現場とかも少なからずあったそうです(^_^;)

そういう話を聞くと一回一回の試験には真剣に取り組まないといけないなと身が引き締まりますね。

建物や構造物の安全性を確保する

コンクリートの強度が不足すると、ひび割れや変形により崩壊するリスクが高まります。

圧縮強度試験を行うことで、建物や構造物の安全性を確保し、事故を未然に防ぐことができます。

試験の手順(供試体作成から圧縮試験まで)

試験用供試体の作成

円柱型(直径10cmかける高さ20cm)の型枠に生コンクリートを流し込みます。

バイブレーターや鉄筋棒を使って、コンクリートの中の空気を抜いて均一にします。

表面を左官などで平らに均し、型枠に入れた状態で24時間養生します。

養生

コンクリート供試体を作成したら、今度は養生を実施します。

養生とは、コンクリートの強度・耐久性・水密性を高めるために必要な工程です。

一般的な材料の設計強度を確認する方法は、標準養生と呼ばれています。

標準養生は、供試体を脱型したあと、水中(20℃±2℃)で養生しコンクリートを規定の状態に仕上げます。

一方、実際の現場環境を再現するために、現場で供試体を保管する場合もあります。(現場水中養生)

1週強度の場合は7日間、4週強度の場合は28日間養生します。

圧縮試験

設計基準強度と比較して、品質基準を満たしているか確認します。

必要に応じて追加策や補強設計をします。

【1週?4週?】試験日程の意味

コンクリート圧縮試験には1週間強度と4週間強度の2種類を一般的に実施します。

それぞれの実施目的を整理しました。

1週強度試験

1週強度試験は、早期の強度を確認することで、型枠脱型の時期や養生期間の判断材料として活用します。

4週強度試験

4週強度試験は、設計基準強度を満たしているかを最終確認のために行います。

 

 

 

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