【10種】橋梁補修工事の代表的な工種一覧(実体験ベース)

  • 2025年1月5日
  • 2025年1月8日
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橋梁補修工事とは、一般的に老朽化、経年劣化により、損傷した橋梁を補修する工事です。

日本に存在している橋梁は約73万橋と言われています。(国土交通省)

そのうち、建設50年を経過したものは37%もあるので、損傷を的確に補修していくことは

長く橋を健全な状態で使用していくめにとても重要なことです。

今回は、そんな橋梁補修工事について、補修工法を10種紹介していきたいと思います。

ぼぶけん
5年間、橋梁補修工事ばっかりやってきました。
お力になれたら嬉しいです!

ひび割れ補修工

コンクリート構造物にひび割れが生じている際に、劣化因子(酸素や水など)を遮断するために、エポキシ樹脂を注入する工法です。

ひび割れ補修工法は、ひび割れ含浸工法、ひび割れ注入工法、ひび割れ充填工法の3種類に分類されます。

ひび割れは進行すると、鉄筋の腐食などさらなる損傷に進展する可能性が秘めているので、最も初期段階での補修と言えます。

断面修復工

コンクリート構造物に、うきや剥離が発生している箇所を、ポリマーセメントモルタル等の材料を用いて補修する工法です。

一般的には、ディスクサンダーを用いて深さ10mm程度のカッターラインを入れて、電動チッパーにてはつり作業を行います。

鉄筋が腐食している場合は、鉄筋が見えるまではつり、鉄筋をワイヤーブラシでケレンし、防錆剤を塗布します。

プライマーを塗った後には、ポリマーセメントモルタルで補修していきます。

補修断面が大きいと、吹き付け工法を使用することもあります。

剥落防止工

剥落防止工法は、第三者範囲(構造物から剥落したコンクリート片などが、人や器物に影響がある範囲を示します。)への影響を

防止するための対策工法です。

一昔前は、シートを貼り付ける工法が主体的に使用されてきましたが、最近は塗装を塗り重ねる工法が多く設計に折り込まれています。

期待される強度(押し抜き強度)はどの工法も満たしているので、施工日数の短さや、施工後の経過観察のしやすさなど、様々な特色を持った工法が開発されています。

伸縮装置補修工

橋を通る時、”ガタン”ってなるなぁと思ったことはありませんか?

伸縮装置は、橋の桁と橋台、桁と桁などを接続する箇所に存在しています。

伸縮装置が健全な状態であれば、橋面からの水を防いでくれるので、桁端部や支承を守ってくれます。

ただし、劣化していると、車の通行には影響があることはほとんどないのですが、橋の下でどんどん損傷が進んでいってしまうのです。

ぼぶけん
サイレントキラーみたいな感じだね

桁端部や支承は橋を守るための重要な部材なので、それを守るために、伸縮装置が損傷している場合は、速やかに補修する必要があります。

高欄補修工

既設の高欄が損傷が著しい場合に、既設の高欄を撤去し、新しい物を設置する工法です。

供用年数が40年近い橋だと、角鋼管で作られたものなどがあるのですが、錆びて中には水が侵入していて、ボロボロです。

車が突っ込もうものなら、ぶっ壊れてしまいそうなくらいで危ないので、新しいものに更新していきます。

現在は、ドリルで穴を開けて、ケミカルアンカーでボルトを設置して、支柱を固定する方法が主流です。

橋面防水工

橋面防水とは、橋面から水が床版に浸透しないようにする防水塗装などの工法を総称して言います。

塗膜防水を行なったり、端部にはスプリングメッシュ等で、水が滞水しないように、排水マスなどへ導水するものも工法として含まれています。

橋にとって、水が溜まっている状態が一番劣化が進行する条件なので、とても重要な工法です。

橋脚巻き立工

橋脚の強度が不足している場合に、鉄筋コンクリートや鉄板などを巻きつけて補強する工法です。

橋の設計基準書は大地震の度に改定されていると言ってもいいくらい、時代に合わせてアップデートされていきます。

そのため、昔作った橋は現行の基準に合わないことが多いのです。

ぼぶけん
耐震補強設計には、最も強かった地震時の荷重を与えて構造計算を回すよ!
河川の中に橋脚が立っている場合は、河積阻害率(河川の面積を阻害している率)を十分に配慮して設計されるので、
経済的なことはもちろん、薄層での施工が可能かどうかも性能としてとても重要な要素となっています。

落橋防止工

箸が落ちないために、桁と下部工をチェーン等で連結する工法

現地の構造物にぴったり合うように、新たに鋼材を制作して設置する必要があるので、正確な現地計測をすることが非常に重要になっています。

塗装塗り替え工

鋼橋は錆が大敵です。

錆びるほど塗装が廃げている場合は一目瞭然ですが、中部地区とかでは塗装自体が経年劣化で剥げてきたタイミングで塗り替えしている感じがします。

古い塗装をショットブラストやエコクリーンブラスト等でケレンし、素地を出してから塗り直していきます。

古い塗装には、鉛やPCB等が含まれていることが多いので、環境に配慮しつつ、作業員の健康被害のない工法が選定されています。

吊り足場

上述の工事を施工するために設置する仮設工です。

橋の桁下を施工する場合は、高所作業車とうで下からアプローチする場合もありますが、それが困難な場合は、吊り足場を設置します。

ぼぶけん
橋梁点検車と呼ばれる特殊車両を用いて、橋の上から下に潜り込んで設置することが多いよ!

まとめ:工種が多い

10種類列挙しましが、これでもまだ紹介していない工法はまだまだあります。

しかし、一物件あたりで、8〜10工種含まれていることはよくあります。

私が担当するときは、同じ工期なのに工種が多くてなんだか損してる気分になりますが、慣れて仕舞えば一個一個は単純なので慣れてきます。

情報収集の足しにしていただければ幸いです。

 

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