ひび割れ補修工法は、橋梁補修工事において、断面修復工につぐ代表的な工種がです。
コンクリート構造物の劣化を進行させないために重要な補修です。
実際の補修工事では、損傷の規模や、発生原因に応じて、補修材料が選定されています。
今回は、損傷規模における、3つの分類を紹介いたします。
コンクリート診断士保有のぼぶけんが解説します!
ひび割れ被覆工法
ひび割れ被覆工法は、幅0.2mm以下程度でも補修することができる工法です。
ひび割れの上から、エポキシ系材料などで表面を被覆することにより、内部への水や炭酸ガスの侵入を防ぎ、損傷の進行を抑えます。
ひび割れのサイズが小さいこともあり、注入工法のなどのように注入することはできないため、毛細管現象を利用して浸透させる工法もあります。
ひび割れ注入工法
ひび割れ注入工法は、幅0.2mm以上程度を補修対象としており、エポキシ樹脂やセメント系の注入剤を用いた工法になります。
最もポピュラーなのは、低圧注入工法という、シリンダーの中のエポキシ樹脂を、輪ゴムの圧力によって、時間をかけて浸透させる工法があります。
施工ステップとして、1日目:シール・座金設置、2日目:材料が入った注入器具設置、3日目:硬化後撤去と、どんなに小規模でも3日間かかってしまうのがめんどくさいところです。
ひび割れの発生原因によりますが、多くの場合、エポキシ系のひび割れ注入剤が採用されることがほとんどです。
ひび割れ充填工法
ひび割れ充填工法は、ひび割れ幅が1.0mm以上の比較的大きなひび割れに適用する工法となっています。
ひび割れに沿ってコンクリートの表面を10mm程度の幅でU字型にカットし、その部分に補修材を充填する方法です。
補修材は、ほとんどの場合、動きがあるひび割れに対応できるシーリング材を使用されています。
ひび割れ充填工法も、他の補修工法同様、劣化因子の侵入を遮断することを目的としているのですが、ひび割れはばが大きい場合は断面修復などの工法を採用する必要も出てくるので注意が必要です。
工事発注される時期というのは、点検で要補修と診断してから3〜5年経過していることも多々あります。
そのため、点検した時点ですでにひび割れ幅が大きい損傷については、鉄筋腐食の進行度にも注意が必要です。
まとめ:現場の損傷に対応した補修工法を!
橋梁の定期点検を実施した時点で、要補修かどうかの診断は出しています。
そのため、工事発注される頃には、より損傷が進行していることも多々あります・・・。
小さい損傷だと甘く見ずに、一個一個をよく観察して施工していけるといいですね。