ブラックな印象が強い施工管理の仕事ですが、建材商社における施工管理は少し違います。
実態を紹介していきます。
私が所属している建材商社のメイン事業は鋼板のリースです。
そのため、施工管理業務が発生するタイミングは以下の2パターンが主流になっています。
①業者から工事物件の見積もり依頼が来たとき
②製品を納品する際、施工もセットで求められたとき
普段、営業マンは鋼材のリース関係で、各業者を回っているので、施工のこととなると全くわかりません。
そこで、上記のような形で、お客様から要望を受けた際に、私をはじめとする工事部が業者を使って工事を進め、現場を管理していきます。
ここで具体的物件を紹介します。
・元請けが対応困難な橋梁補修工事
・ベンチや東屋などの景観資材の設置工事
・ガードレールやフェンスなどの設置工事
一般的な元請け業者での施工管理だと、役所の発注に入札をして受注できたらしばらくその物件につきっきりになることがほとんどだと思いますが、我々は1次下請として受注しているのでそうはなりません。
橋梁補修工事を管理込みで受注すると、比較的つきっきりで対応することにもなりますが、長くても3ヶ月程度です。
何より、協力業者に現場管理も任せてしまえば、自分自身は現場に立たずに物件を回っていくことも実際にあります。
さらに、ノルマを抱えているのは営業マンのみになるので、工事部はノルマに追われることはありません。
なんなら、最近では、営業会議に出席を求められることもなくなりました。
なんてストレスフリーなんでしょうか
あまりにノルマと隔離された場所で働いているので、上記のように悪態をつかれることもしばしば(きっと冗談です)
【デメリット】建材商社の施工管理の仕事で辛いと感じる瞬間3個
1. 職場で「施工管理はおまけ」あつかいされることがあり辛い
前の項でも述べましたが、会社のメイン事業は鋼材のリースになります。
そのため、どんなに頑張っても、あまり報われることがないというのがちょっと寂しいところです。
弊社だけかもしれませんが、工事部が物件をこなしても営業マンの成績として計算されます。
さらに弊社の施工管理部門には30代の社員しかいないので、どれだけの難物件を利益を残して完了させたとしても、正当に評価をアピールできる人間がまず存在していません。
山ほど折衝や現場対応を強いられるような(事故物件なんて言ったりもしてますが…)物件を赤字を出さずに終わらせたとしても、営業からしたら売上も利益率もそこそこな工事という印象で終わっています。
2. 専門外の仕事を担当させられるのが辛い
前にも述べたように、建材商社での施工管理は、一次下請けとして請け負うことが多い立場です。
なので、ライバルは元請と同じエリアで活動をしている専門業者になります。
我々は営業が捕まえてきたお客さんに合わせて、どんな工種でも業者を揃えて工事対応しなければならないため、非常に受注難易度が高くなっています。
自分の場合は橋梁補修工事をメインに取り組んできたのですが、最近はインターロッキング(石タイル)敷設やあずまやの設置の現場管理などを任されることもあり、最初は何がなんだかわからず苦労しています。
3. 将来性がやや不安なのが辛い
建材商社は、地方自治体発注業務における、元請ではなく一次下請けが主戦場になります。
ですので、一人当たり抱えられる金額はせいぜい1億円程度で、利益率もトータルで20%を超えてきません。
これが経験を積んだからといって大幅に伸びることが少ないため、年功序列での昇給しか期待できない節があります。
一例ですが、私の上司(31歳)は元々、元請け業者に勤めていたのですが、
「同級生は現在年収600〜700万円くらいだから100万円以上開きが出ちゃったなぁ」
と嘆いていました…。
【メリット】建材商社施工管理の給与や福利厚生はホワイト
1. ホワイトな福利厚生環境
施工管理と聞くと、年間休日90日以下がほとんどだと思いますが、私は128日取れています。
出社日のうち2日は社員旅行なので実質130日取れているようなものです。
更に、現場が早く終わる時は直行直帰なんてことも少なくありません。
忙期は年度末に集中しているため、1〜3月は月50時間ほど残業をすることもありますが、4〜9月の閑散期は残業はほぼ0です。
給料はみなし残業制で、30時間を超過するまでは一定の金額が支払われる条件なので、閑散期はだいぶ得しています。
ちなみに私は繁忙期に土曜出勤を6日間しましたが、閑散期に全て振替休日として消化することが出来ました。
現在4週連続で週休3日です。(弊社みたいな会社は他にはないかもしれませんが・・・。)
2. 未経験で建材商社の施工管理に転職した場合の給料相場
想定年収は296〜450万円と未経験からでもそこそこ稼ぐことができます。
また、年間休日は120日とあり、仮に休日出勤が何日かあったとしても十分休めると言えるでしょう。
有給休暇の日数が求人で記載があることが多いですが、事前に取得率を確認することが重要です。
年間休日を確保した上で有給を取得しているはずなので、ある程度の取得率になっていれば、募集時の条件と相違が少ないことを把握できるでしょう。
ちなみに育休や産休は、抱えている物件の状況などによりますが男女構わず取得は推奨されています。
ちなみに私は男性として初めて育児休業を3ヶ月取得しました。
これは元請などの業者では絶対にあり得ないですよね。
ホワイトな環境で一歩ずつ着実にキャリアアップを目指すなら建材商社がおすすめですね。
【結論】ホワイトな職場を求めるなら建材商社の施工管理はアリ
地元の元請業者などで勤めれば、年収は400万円から1000万円と高い水準目指すことができます。
しかし、年間休日の実態は、80〜90日程度になってしまうところが多い印象です。
実際に聞いた話では、40過ぎの中堅社員が、年明けから3月の期間は休みがなかったという体験談もあります。
これってもはや時給換算すると稼げると言っていいのかってレベルになるんですよね。
やはり建設業においても、ホワイト企業で働いて、高時給で定時退社をして、副業に勤しむのが最適解なのではないでしょうか。